プランター菜園ノート
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秋冬ベランダ菜園の始め方【8月末〜9月に種まきすべき野菜カレンダー】

秋冬ベランダ菜園の始め方【8月末〜9月に種まきすべき野菜カレンダー】

目次

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関東基準で8月下旬〜10月中旬に種をまけば、小松菜なら30〜40日、カブなら40〜60日で収穫に届きます。夏野菜の後片付けが終わったベランダがそのまま使えますし、気温が落ち着いてくる秋は虫の発生も少なく、実は初心者に一番向いている季節だと思っています。

8月末にミニトマトの株がくたびれてきたとき、「この後ベランダで何を育てればいいんだろう」と調べると、夏野菜の記事ばかり出てきて、秋のことが全然わからない——そういう人向けに書きます。

この記事でわかること

  • 8月末〜9月に種まきできる野菜(小松菜・ほうれん草・大根・カブ・春菊)の具体的な種まき時期
  • それぞれの特徴と、初心者が陥りやすい失敗
  • 秋冬ベランダ菜園に必要なプランター・道具の選び方

「8月末〜9月」とタイトルには書きましたが、これはあくまで目安です。小松菜やほうれん草、春菊などは10月中旬ごろまで種まきできるので、8月末をとっくに過ぎて9月後半や10月にこの記事を読んでいる人も、まだ十分に間に合います。下の表で野菜ごとの種まき時期を確認してみてください。


秋冬ベランダ菜園で育てられる野菜と種まき時期(関東基準)

いきなり結論を出します。

野菜種まき時期(関東基準)収穫時期の目安難易度
小松菜8月下旬〜10月中旬種まきから30〜40日後易しい
ほうれん草9月〜10月中旬種まきから40〜50日後普通(pH調整が必要)
カブ8月下旬〜9月下旬種まきから40〜60日後易しい
大根9月〜10月上旬種まきから60〜70日後普通(深さに注意)
春菊9月〜10月中旬種まきから45〜60日後易しい

「9月から始めて何も育てられない」は、秋の場合ほぼないです。夏野菜のように苗が死ぬほどシビアではないし、気温が25℃前後に落ち着いてくると葉物野菜は特に育ちやすい。日当たりも夏ほど気にしなくて大丈夫で、小松菜・ほうれん草・春菊あたりの葉物は半日陰気味のベランダでも普通に育ちます。

ちなみにこの5種、育て方は基本すべて種からです。小松菜やほうれん草はそもそも苗があまり売られていないので、「苗から育てるか種から育てるか」で悩む必要はありません。

ただ、それぞれに「だいたいこんな失敗をする」という典型パターンがあるので、野菜ごとに整理します。


小松菜: 秋冬ベランダ菜園の入門はほぼこれで決まり

正直、9月から始める人に「何から育てますか?」と聞かれたら、迷わず小松菜と答えます。

種まきから30〜40日で収穫できます。育てている途中に「何もしていない」と感じるほど手がかかりません。土のpH調整も不要で、種をまいてから間引きして水やりするだけ、という感じです。

種まき〜間引き〜収穫の流れ

種は「すじまき」します。プランターに1〜2cmの浅い溝を掘って、種をパラパラと並べる方法です。発芽したら密度が高い部分から間引いていきます。株間が狭すぎると光と空気が不足して徒長(ひょろひょろ細く育つこと)しやすいので、最終的に5〜7cm間隔になるように間引きます。

草丈が20〜25cmになったら収穫。全部一気に切ってもいいし、外葉から少しずつ収穫してもいいです。

失敗するとしたら、間引きが遅れてびっしり密集させてしまうことくらいです。葉と葉が重なり合っているのを見てかわいそうで間引けなくなる——これは自分もやりました。でも密度が高すぎると蒸れてしまうので、心を鬼にして間引くことをおすすめします。


ほうれん草: 「土の準備」だけ先に済ませる

ほうれん草は春よりも秋まきの方が甘みが乗って育てやすいです。寒さで糖度が増すので、11〜12月に収穫できる9月まきが実は一番おいしい。

ただ一つ面倒なのが土のpH調整(酸性・アルカリ性の度合いを調整すること)です。

ほうれん草はpH6.5〜7.0のやや中性よりの土を好みます。市販の野菜用培養土は多くがpH6.0〜6.5くらいで、ほうれん草には少し酸性寄りです。種をまく1週間前くらいに苦土石灰(土を中性に近づける資材)を混ぜ込んでおく必要があります。目安は土1リットルあたり苦土石灰3〜5g(小さじ1杯弱程度)。10リットルの培養土なら30〜50g程度です。商品によって濃度が異なるので、パッケージの使用量表示も必ず確認してください。

「苦土石灰って何それ」となるのはわかるのですが、ホームセンターの肥料コーナーに普通に売っています。ほうれん草の袋の裏面にも書いてあるので確認してください。

この準備を端折ると、発芽はしても途中から葉が黄色くなって成長が止まります。これが「ほうれん草って難しい」という印象の正体です。pH調整さえしてしまえばあとはそれほど難しくありません。

種まきの方法は小松菜と同じすじまきです。発芽後、株間を7〜10cmに間引いていきます。

ちなみにほうれん草の種は吸水させてから使うとよく発芽します。半日くらい水に浸けてから種をまく方法で、発芽率が上がります。もしうまく発芽しないと思ったら試してみてください。


カブ: 葉も丸ごと使えて、意外とプランターに向いている

カブは根を太らせる野菜なので「深いプランターが必要」と思われがちですが、こんにゃくほどは深くなくて大丈夫です。深さ15cm以上あれば小カブは育ちます。中カブや大カブになると深さ20〜25cmは欲しいですが、ベランダで育てるなら小カブを狙う方が現実的です。

種まきは8月下旬〜9月下旬。秋まきカブは虫被害が少なくて助かります。春まきのカブは白い根をかじりに来るキスジノミハムシという虫の被害をよく受けるのですが、秋は発生が少なめです。

収穫の目安は根の直径が5〜7cm程度になったとき。あまり大きくなりすぎると中身がスが入って(組織がスポンジ状になること)しまうので、少し早めに収穫する方が品質が保てます。

カブは葉もやわらかくておいしいです。味噌汁に入れたり、さっと塩もみするだけでも食べられます。「根しか使えない」と思っている方、葉も全部食べてください。


大根: 「深さ」を用意できるかどうかがすべて

大根はプランターで育てられるかどうか、よく質問があります。育てられます。ただし条件が一つあります。深さ30cm以上のプランターが必要です。

これを読んで「じゃあ家にある標準サイズのプランターでは無理か」と思う方、そのとおりです。根が太くなるためのスペースが足りないので、地上部は元気に葉が茂るのに根が全然太らない、という状態になります。大根の形にならない。

「大根用プランター」として売られている深型プランターか、バケツ型の深い容器を使う方法があります。深さ30〜40cmのプランターに1株、もしくは2株程度が目安です。

種まきは点まきします(一箇所に2〜3粒まいて発芽後に間引く方法)。大根は本葉2〜3枚の段階で1株に間引きます。間引きをサボると根の成長が悪くなります。これが大根栽培で一番手を抜けないところです。

関東基準で9月〜10月上旬が種まきの適期。早すぎると(8月はまだ暑く)虫と暑さで苦労します。


春菊: ちょっと個人的に好きな野菜

春菊、鍋の季節に自分で育てたものを使えるのが地味にうれしいです。葉の香りが強くて、スーパーで売っているものより新鮮な分だけ風味がよい。

種まきは9月〜10月中旬。すじまきで発芽後、株間を5〜7cmに間引きます。

収穫は草丈20〜25cmになったら先端から10〜15cmのところで摘み取ります。このとき根元近くの脇芽をいくつか残しておくと、そこからまた葉が伸びてきます。1回の種まきで2〜3か月、収穫を繰り返せるのが春菊の特徴です。

ただ、春菊の種は光好性種子(光が当たると発芽しやすい種のこと)なので、土をかぶせる厚さが薄くて大丈夫です。5mm程度で十分です。「なぜか発芽しない」という場合、土をかけすぎていることがあります。


秋冬ベランダ菜園に必要な道具

夏野菜とほぼ同じ道具が使えます。改めて買い直す必要はほぼないです。

強いて言えば一点だけ気にしてほしいのがプランターの深さです。

野菜の種類必要なプランターの深さ
小松菜・ほうれん草・春菊深さ15〜20cm程度でOK
カブ(小カブ)深さ15〜20cm
大根深さ30cm以上(専用の深型が必要)

葉物や小カブであれば標準サイズのプランターで問題なく育ちます。「なんとなく浅めのプランターしか手元にない」という方でも、小松菜・ほうれん草・春菊・小カブの4種なら今すぐ始められます。

培養土は夏に使ったプランターの土をそのまま再使用する場合、少し工夫が必要です。古い土は水はけが悪くなっていることが多いので、赤玉土(小粒)を1〜2割ほど混ぜて土質を改善するか、ホームセンターで「土のリサイクル材」として売られている資材を使うと手軽です。

新しい培養土を使う場合は、引き続き「野菜用」または「家庭菜園用」と書かれたものを選ぶだけです。


秋冬の水やりと肥料の考え方

夏とは管理の感覚が変わります。

水やりは夏よりずっとおおらかで大丈夫です。気温が下がると土の乾きがゆっくりになるので、夏のように朝夕2回やる必要はありません。土の表面が乾いてから水をやる、という基本は変わりませんが、2〜3日やらなくても大丈夫な日が増えてきます。

「毎日水をやらなきゃ」というプレッシャーから解放されるのが秋冬菜園の地味にいいところです。季節ごとの水やり頻度をもう少し詳しく整理したい方は、プランター菜園の水やり頻度【夏の朝晩・季節別の正解と失敗しないコツ】もあわせて読んでみてください。

肥料は元肥入りの培養土を使えば最初の1〜2か月は特に追加不要です。春菊は長期間収穫を続けるので、種まきから1か月後に液体肥料を2週間に1回くらい与えると長く育ちます。小松菜・ほうれん草・カブは短期間で収穫するので、元肥で十分なことが多いです。

液体肥料はハイポネックス原液が一番よく見かけます。パッケージに書いてある希釈倍率(野菜なら通常500倍程度)を守って使ってください。


よくある質問

Q. 9月から始めるなら何が一番おすすめですか?

小松菜です。種まきから30〜40日で収穫できるし、管理が楽です。「まず何かを収穫したい」という人には一番早く達成感が得られます。ほうれん草はpH調整の手間があるので、小松菜で感覚をつかんでからでも遅くありません。

Q. ほうれん草は秋に種まきして大丈夫ですか?

春まきより秋まきの方が甘みが出て育てやすいです。ただし種まき1週間前に苦土石灰(土1Lあたり3〜5gが目安)で土のpHを調整しておくことだけ、忘れないでください。これをやらないと育ちが悪くなります。

Q. 大根はプランターで育てられますか?

育てられますが、深さ30cm以上のプランターが必要です。これより浅いと根が太りません。葉は立派に育つのに根が細いまま——という結果になります。小カブなら深さ15cmで育つので、深型プランターを用意できない場合はカブに切り替えるのが現実的です。

Q. 春菊はどのくらいで収穫できますか?

種まきから45〜60日で最初の収穫ができます。先端から摘み取ると脇芽が出てきてまた収穫できます。1回の種まきで2〜3か月楽しめます。

Q. 秋冬は肥料はどうすればいいですか?

元肥入りの培養土を使えば短期収穫の葉物は追加不要です。春菊は長く収穫するので、種まき1か月後から液体肥料を2週間に1回ほど与えると長持ちします。液体肥料は希釈倍率を必ず守ってください。


9月の種まきは、7月に比べると虫が格段に少なくて気持ちがいいです。夏に「アブラムシが発生して嫌になった」という人も、秋からやり直してみると全然印象が変わります。

葉物はプランターに種をすじまきして間引くだけなので、道具さえあれば始める手間もほぼかかりません。夏のミニトマトに比べると、あっさりしているほどです。


今すぐ揃えたい道具

  • 深さ15〜20cmのプランター(小松菜・ほうれん草・春菊・小カブ向け。標準サイズでOK)
  • 野菜専用の培養土(「野菜用」「家庭菜園用」と書いてあるものを選ぶだけ)
  • 苦土石灰(ほうれん草を育てる場合のみ必要。ホームセンターの肥料コーナーで売っている)

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