プランター菜園ノート
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空芯菜のプランター栽培【真夏のベランダで穴場の野菜・収穫し続ける育て方】

空芯菜のプランター栽培【真夏のベランダで穴場の野菜・収穫し続ける育て方】

目次

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「夏のベランダで育てやすい野菜、ありませんか」と聞かれたら、迷わず空芯菜と答えます。

ミニトマトでもバジルでもなく、空芯菜です。

理由はシンプルで、他の野菜が夏の暑さでへたりはじめる7〜8月に、空芯菜だけは元気よく育ちます。25〜35℃が生育適温なので、真夏のベランダがまさにドンピシャの環境なんです。しかも1回植えれば繰り返し収穫できる。炒めれば旨い。それだけのことですが、これだけ揃う野菜はなかなかありません。

「初心者向け野菜」を紹介する記事はたくさんありますが、空芯菜を入れているものがほとんどないのが不思議です。個人的には7〜8月限定でいえば一択に近いと思っています。

この記事で分かること

  • 空芯菜をプランターで育てる基本の流れ(種まき〜収穫まで)
  • プランターのサイズ選びと土の選び方
  • 摘み取りを繰り返すための「収穫の仕方」
  • 夏のベランダ栽培ならではの水やりの考え方
  • よくある質問(FAQ)

空芯菜ってどんな野菜? 食べたことない人に先に説明させてください

正式な和名は「ヨウサイ」。中国・東南アジアが原産の葉物野菜で、スーパーではまず見かけません。でも中華・タイ料理のお店に行くと、炒め物の付け合わせや空芯菜の炒めもの単品で出てくることがあります。

茎が中空になっているので「空芯菜(くうしんさい)」。英語ではwater spinach(ウォータースピナッチ)と呼ばれることもありますが、ほうれん草に似た感じで食べられます。

ちなみに「食べてみたい野菜リスト」を作っていた人には、自分で育てるのが最短ルートだと思います。スーパーで買おうとしても売っていないので。


育てる前に確認: 空芯菜に向いているベランダ

種まきの前に、自分のベランダが空芯菜に合っているかを確認します。

日当たりについては、南向きや西向きで午後に日が当たる環境が理想的です。東向きでも育ちますが、収穫量は南向きより落ちます。「日当たりが悪い」「北向きに近い」という場合は、正直に言うとミニトマトよりも葉物(小松菜・ほうれん草)の方が向いているかもしれません。

時期は、5月下旬〜6月上旬の種まきが基本です。最低気温が20℃を下回らなくなってからが目安で、それより早く植えると発芽が遅れたり、発芽しないこともあります。

逆に「梅雨明けから始めて大丈夫ですか?」という質問を受けることがありますが、7月中旬から始めても十分育ちます。ただし9月に入ると涼しくなって成長が鈍りはじめるので、楽しめる期間が短くなります。


プランター選びと土の準備

プランターは「横に広めのもの」が使いやすい

空芯菜はミニトマトほど深く根を張らないので、深さ15〜20cmあれば問題なく育ちます。それよりも横幅・面積があった方が、たくさん植えられて収穫量が増えます。

目安として、横60cm以上の標準プランター(65型や60型と呼ばれるサイズ)があれば2〜3株育てられます。プラスチック製のもので十分です。

テラコッタ(素焼き鉢)はおしゃれですが、夏は熱を持ちやすく乾燥しやすい。空芯菜は水が好きな野菜なので、水持ちのよいプラスチック製の方が管理しやすいと思っています。

ちなみに大型プランター(30L以上)を持っている場合は、ミニトマトと空芯菜を別のプランターにした方が水やりの管理がしやすいです。ミニトマトは水を与えすぎると実が割れるので、こまめに水をあげたい空芯菜とは相性がよくないのです。

土は「野菜用培養土」を迷わず選ぶ

培養土(さいばい用に加工された土のこと)は、袋に「野菜用」「家庭菜園用」と書いてあるものを選べばOKです。pHが野菜に合わせて調整されていて、元肥(もとごえ:最初から混ぜてある肥料のこと)も入っています。

空芯菜専用の土が必要か?という話ですが、特にそんなものはなくて、普通の野菜用培養土で育ちます。

プランターに土を入れるとき、表面から2〜3cm程度の「水やりしろ」を空けて入れるのがポイントです。ギリギリまで入れると水やりのたびに土が流れ出てしまいます。


種まきと発芽

直まきで十分

空芯菜は苗から始めることもできますが、種から始める方が経済的で、しかも簡単です。苗の場合は5〜6月にホームセンターで販売されることがありますが、種の方が圧倒的に安く、発芽率も高い野菜です。

種まきの方法は「点まき」か「すじまき」どちらでも大丈夫です。

点まき(1か所に3〜4粒まとめてまく方法)の場合:

  1. プランターに土を入れる
  2. 指で深さ1〜2cmのくぼみをつくる
  3. 1か所に3〜4粒まき、土をかぶせて軽く押さえる
  4. 水をたっぷりやる

株間は15〜20cm程度確保します。横60cmのプランターなら2〜3か所が目安です。

種の皮がかたいので、まく前に一晩(6〜8時間程度)水につけておくと発芽が早くなります。面倒な場合は飛ばしても育ちますが、水浸けした方が発芽がそろいやすいです。

発芽まで5〜10日程度かかります。土が乾かないように、この間だけは毎日様子を見て水やりをしてください。発芽してしまえばあとはかなりおおらかな野菜です。

間引き

発芽して本葉が2〜3枚出てきたら、1か所に1〜2株になるよう間引きします。混んでいると風通しが悪くなって蒸れやすくなるので、早めにやっておく方がいいです。

間引いた芽は食べられます。捨てないでサラダにどうぞ。


水やり: 空芯菜は水好き・ただし毎日は不要

「空芯菜は水が好き」という情報はよく書かれていますが、「毎日水をやれ」と解釈しすぎると根腐れを起こします。

自分のやり方は、土の表面が乾いたらたっぷりやるというシンプルな基準です。夏の晴れた日は朝やっても夕方には乾いていることがある。その場合は朝夕2回やることになります。逆に曇りが続いた週は1日おきで十分な場合もあります。

プランター栽培で多い失敗が根腐れです。土が常に湿っている状態が続くと根が傷みます。受け皿に水が溜まったまま1日以上放置するのが一番まずい。水やりの後は受け皿に溜まった水を捨てる習慣をつけると、根腐れのリスクがかなり下がります。

水やりのタイミングで迷ったときは、指を土に1〜2cm差し込んでみて、湿り気がなければやる、まだ湿っていればもう少し待つ、という判断で十分です。


追肥: 繰り返し収穫するなら定期的な追肥が必要

収穫を繰り返す野菜なので、土の養分は消耗します。元肥入りの培養土を使った場合でも、植え付けから1ヶ月後を目安に追肥を始めてください。

液体肥料を週1回、規定の希釈倍率で希釈して与えるのが一番やりやすい方法です。「少なめで始めて様子を見る」のが鉄則で、葉色が薄い(黄色っぽい)ようなら肥料不足、葉が茂りすぎて茎が間延びしているようなら肥料が多めかもしれません。

注意: 肥料を規定より濃く与えると「肥料焼け」といって葉の先が枯れる症状が出ます。「たくさんあげれば早く育つ」ということはなく、逆効果です。ラベルの希釈倍率は必ず守ってください。

ハイポネックス原液などの液体肥料は、ホームセンターや通販で600〜900円程度で手に入ります。1本買えば1シーズン十分もちます。


収穫: 「摘むほど増える」は本当

空芯菜を育てて最初に感動するのが、この「摘んでも生えてくる」という特性です。

収穫のタイミングは、茎の先端から数えて葉が5〜6枚ついた頃です。長さにすると20〜30cm程度。この辺で摘み取ると脇芽(わきめ:茎の節から出てくる新しい芽のこと)が伸びてきて、そこからまた収穫できます。

摘み取り方のコツは、茎の節の上で切ること。節のすぐ上で切ることで脇芽が出やすくなります。ハサミでもよいし、指で折ってもOKです。

「全部を一気に摘まず、少し残して摘む」という方法で、株を維持しながら長く収穫できます。8月に入ってもこまめに摘んでいれば、9月末まで収穫が続きます。

一度やってみると、摘み取りのテンポが楽しくなってきます。5分もあれば1〜2食分は収穫できます。


病害虫: 比較的強い野菜ですが注意すること

空芯菜は病害虫に強い野菜として知られていますが、まったくつかないわけではありません。

アブラムシがつくことがあります。葉の裏や新芽の付け根に集まりやすいので、収穫のたびに裏面を見る習慣をつけておくと早期発見できます。初期であれば水で洗い流すか、食品成分由来の殺虫スプレーで対応できます。

気温が高いと生育旺盛な分、葉が茂りすぎて蒸れることがあります。風通しをよくするために、密生しているところは適当に間引く・摘み取るのが有効です。

農薬・殺虫剤を使う場合は、パッケージの用量・用法を必ず守ってください。


よくある質問

Q. 空芯菜はプランターで育てられますか?

はい、十分育てられます。深さ15〜20cm以上の標準的なプランターで問題ありません。地面に植えた場合より収穫量は落ちますが、ベランダでも繰り返し収穫できます。

Q. 種まきはいつまでにすればいいですか?

最低気温が20℃以上になる5月下旬〜6月が最適です。遅くとも7月中旬ごろまでに種をまけば夏の間は楽しめます。8月以降にまくと発芽はするものの、涼しくなる秋に向けて成長期間が短くなります。

Q. プランターで育てていますが、なかなか発芽しません

2つの原因が多いです。一つは気温が低い時期(最低気温20℃以下)に種をまいた場合。もう一つは土が乾きすぎていた場合です。発芽するまでは土が乾かないよう、毎日水やりをしてください。それでも10日以上発芽しない場合は、気温が上がるまで待つのが無難です。

Q. 梅雨の時期、雨が続いても水やりは必要ですか?

ベランダの構造によって、雨がプランターに届かないことがあります。「雨が降っているからOK」と判断せず、プランターの土の状態を実際に確認してから水やりを決めてください。屋根のある場所に置いているプランターは雨の日でも乾くことがあります。

Q. 空芯菜の収穫後はどうすればいいですか?

9月以降に涼しくなって成長が止まったら、株を抜いてプランターの土を片付けます。土はそのまま翌年に使い回さず、新しい培養土か、専用の「土のリサイクル材」を混ぜて改良してから使うと病害の発生を防げます。秋からは小松菜やほうれん草など涼しい季節向けの野菜にプランターを使い回せます。


最後に

空芯菜の記事を書いておきながら言うのも変ですが、7〜8月に育てる野菜を1種類しか選べないとしたら、ミニトマトより空芯菜の方を選ぶと思います。

ミニトマトは確かに楽しいし収穫の瞬間も格別ですが、プランターのサイズ・支柱・水管理・追肥・脇芽かきと、やることが多い。一方で空芯菜は「土に種をまいて水をやっていれば育つ」という感覚に近くて、夏のベランダ菜園としての手間のかからなさが段違いです。

初めてプランター栽培に挑戦する人に、「なんか育ててみたい」という入口として空芯菜を勧めたいのはこういう理由です。まず1シーズン、試してみてください。


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