バジルの摘心のやり方・実際にやってみたら収穫量が倍になった話
目次
「切ったら枯れないかな」と思ってませんか。
私もそうでした。去年、バジルの苗を楽天で買ってベランダに植えたとき、摘心という作業があると知りつつ、どうしても手が止まっていました。「せっかく育ってきた葉を、わざわざ切り落とす」という行為が、単純に怖い。
でも思い切って切ってみたら、その後2〜3週間で枝が一気に増えて、収穫できる葉の量が体感で2倍近くになりました。今回はその話を書きます。
この記事でわかること
- 摘心のタイミングと切る場所(初心者が迷いやすいポイントを丁寧に言語化しています)
- 文具ハサミでも十分できる。ただし消毒は必須
- 切りすぎて回復に3週間かかった失敗の話
- 「摘心は1回でいい」という通説への私なりの反論
- 摘心しなかった株と並べて気づいた、葉の硬さの違い
摘心って、何をする作業なのか
「摘心(てきしん)」は、植物の先端を切り取って横の成長を促す作業です。植物は先端が伸びようとする性質があるので、先端を切ると「じゃあ脇から生えよう」と枝分かれします。これを利用して枝の数を増やし、収穫量を上げるのが目的です。
バジルの場合、ほうっておくと上へ上へと伸びて花芽をつけ始めます。花が咲くと葉の風味が落ちて、株全体も老化が早まります。それを防ぐためにも、花芽が出る前に先端を切っておくのが摘心のもう一つの役割です。

バジルの基本的な育て方については バジルのプランター栽培・基本の育て方 にまとめているので、栽培全般が気になる方はそちらも。
切るタイミングは「本葉6〜8枚」のころ
私が最初に摘心に踏み切ったのは、苗を植え付けてから約3週間後でした。本葉が7〜8枚そろって、株の高さが18cmくらい。茎の上の方を見ると、葉と葉のあいだから小さな葉っぱが顔を出し始めていて「これが脇芽か」とわかるようになってきたタイミングです。
梅雨入り前の5月下旬で、気温は日中22〜25度くらいでした。バジルにとっては一番元気な時期なので、切っても回復が早いです。逆に、真夏の猛暑日が続いているときに摘心すると株への負担が大きいので、夏本番前か秋口に落ち着いてからの方が安全だと思います。
実際どこを切るか

左右に葉が対になって生えているところ(これを「節(ふし)」と呼びます)の、葉の付け根から茎を上に向かって1〜2cmのところで切ります。
もう少し詳しく言うと、上から数えて2〜3組目の葉を基準にして、その葉の付け根のすぐ上あたりが切り位置です。そこには脇芽(わきめ)が出始めているはずなので、その芽のすぐ上で切ることになります。脇芽が見えたら、それが目印だと思ってください。
「上から何節目」という数え方は慣れないと混乱しやすいので、感覚としては「目の前の葉の根元から1〜2cm上を、真横にスパッと切る」で十分です。
ハサミは文具ハサミでもできます。ただし消毒だけは絶対にやる
実際に使ったのは文具ハサミです。剪定ハサミを持っていなくて、手元にあったものを使いました。切れ味は十分で、問題なく作業できました。
ただし消毒だけはサボらないでください。私はキッチン用アルコールスプレーをハサミの刃にひと吹きしてから使っています。バジルとミニトマトをいっしょに植えている場合、ハサミを介して病気が移る可能性があるので。文具ハサミで十分だけど、消毒なしは論外、という感覚です。
より切れ味のいい専用の剪定ハサミが気になる方は、ベランダ菜園の道具・資材まとめ でまとめているので参考にしてみてください。
最初の摘心でやった失敗——回復に3週間かかった話
1回目に切ったのは茎の先端2〜3cmほど。花芽が出始めた部分と、その下の葉1節分くらいを一緒に取り除きました。4〜5日後に切り口の下の節から新しい芽が左右2本出始めて、10日後には枝が2本に増えていました。1本だった茎が2本になったので、単純計算では収穫できる葉が2倍になる計算でした。
ただ、この1回目に1つ失敗しています。
欲張って「なるべく低い位置で切った方が枝分かれが多くなるはず」と思い、株の下の方、地面から5cmくらいのところまで深く切り込んでしまいました。
結果、回復に3週間近くかかりました。下の方の葉がほとんど残っていない状態で切ったので、光合成できる面積が一気に減って株が弱ったんだと思います。葉は最低でも2〜3対(4〜6枚)は残して切る、というのを守らないとこうなります。深く切るほどいいわけではないです。
ただ、このルールを守ればまず枯れません。今回の失敗も「深く切りすぎた」からで、少し気を遣って切れば3週間もかからずに回復します。怖くて手が止まっている方は、「ルール守れば大丈夫」くらいの気持ちで最初の一回を切ってください。
摘心は1回で十分、は本当か
「摘心は1回やればあとは収穫を繰り返せばいい」という書き方を、いくつかのサイトで見ました。
私の実感とは少し違います。
1回目の摘心で2本に増えた枝は、しばらくすると今度はそれぞれが先端を伸ばして花芽をつけようとします。放置するとまた同じ問題が起きるので、2〜3週間おきに2回目・3回目の摘心をしました。
3回繰り返したところで、枝の数が最初の1本から8本以上に増えていました。葉の数を数えたわけではないですが、同じ時期に育てた「比較用で1株放置」の株と並べると、収穫できる葉の量は体感でかなりの差になっていました。
1回の摘心でも効果はあります。でも繰り返すことで株がどんどん横に広がって、葉の量が倍々に増えていく感覚があります。
摘心しなかった株と並べて気づいた、葉の硬さ
これは完全に私の感想なので参考程度に聞いてほしいのですが、摘心をしなかった株の葉は少し硬かった気がしました。
摘心した株の方が葉がやわらかく、バジルらしい香りも強い印象がありました。ただ正直、日照や水のタイミングも違ったりするので「摘心のおかげ」と断言できるものではないです。
競合するサイトでは「摘心のメリット=収穫量が増える」「花が咲くのを防ぐ」の2点で終わっているものが多かったのですが、葉質の変化という観点はあまり語られていません。食べることを目的にバジルを育てている人には、こっちの方が気になる話かもしれないと思って書いておきました。
コンパニオンプランツとして育てているバジルの摘心
ベランダではミニトマトとバジルをいっしょに育てています。バジルの香りがミニトマトのアブラムシやハダニを防ぐという話がネット上でよく見かけられますが、正直なところ私は特に変化を感じませんでした。やる前と後で状況が変わったかといわれると、わからないというのが本音です。
「相乗効果がある」という情報は広まっているので完全に否定するつもりもないですが、少なくとも私の環境では実感できなかったというのはフラットに書いておきます。ミニトマトのコンパニオン栽培については ミニトマトのプランター栽培・完全版 の方に詳しいのでそちらもどうぞ。
コンパニオンプランツ用のバジルの摘心は方法は同じです。むしろ花穂(かすい:花を咲かせようとして伸びてくる茎)が立つのが早いので、花が咲いてしまう前に摘心と花穂切りを合わせてやるようにしています。
ミニトマトの脇芽かきをするついでに、バジルの花穂も同時にチェックする習慣にしてから管理がラクになりました。
摘心した葉、食べられます
切り取った先端の茎と葉は、そのまま食べられます。というか結構おいしいです。
バジルソースにするほどの量ではないときは、トマトと一緒に塩とオリーブオイルだけで食べています。摘心でも収穫でもある、という一石二鳥感がバジル栽培の好きなところです。
よくある質問
Q1. バジルの摘心はいつやればいいですか?
本葉が6〜8枚そろったタイミングが目安です。株の高さでいうと15〜20cmくらい。梅雨入り前の5月中旬〜6月上旬が一番やりやすいです。
Q2. どこを切ればいいですか?
左右に葉が対になって生えているところ(節)の、葉の付け根から茎を上に向かって1〜2cmのところで切ります。脇芽が出ているのが見えたら、その芽のすぐ上を目安にすると分かりやすいです。
Q3. 摘心は1回だけでいいですか?
1回より繰り返した方が収穫量が増えます。私の実感では2〜3週間おきに3〜4回繰り返すと枝数がぐんと増え、葉の量も格段に変わります。
Q4. 切りすぎて株が弱ることはありますか?
あります。葉を全部取ってしまうか、茎の下の方まで深く切りすぎると回復が遅れます。葉を最低でも2〜3対(4〜6枚)残すのが目安です。
Q5. コンパニオンプランツとして植えているバジルも摘心した方がいいですか?
はい、むしろ積極的にした方がいいです。花穂が伸びてくると風味が落ちるので、花が咲く前に摘心と花穂切りの両方をやると長く使えます。